手段を目的にして異動した話

4月から社会人5年目になりました(そんなに経ったのかと思ってしまった)。

このタイミングではじめて異動したので、思っていたことを残すためにも書いてみました。

学生時代の経験からスクラムで開発するところがいいなーと思い、そんなことをなんとなく伝えていた中で、新卒で配属されたのがこれまでの部署でした。

ただスクラムの用語自体は使われているものの、もともとの背景とか価値観みたいなところが浸透していないまま各イベントが実施されているような感じでした。これまでに知ってたスクラムと違うぞと思いながら働き始め、これは変じゃない?というのを言ってみたり、こうしたら良いんじゃないというのを自分なりに提案することを続けていました。あんまり打率は高くないもののそれがチームに響くこともあれば、でもやっぱり伝わらなかったり届かなかったりを繰り返していました。実際にこれまでの進め方でもうまくいってないわけではないと他のメンバーは感じていたと思うので、用語を使うからには本来の意味合いでやりたい思っている僕とギャップはあったんだろうと思います。

コミュニティ活動を通じてたくさんいい話を聞いていると、やることの良さを伝えて今いるチームを変えるみたいなことが自分にもできるんじゃないかと思えてきて、思ったことをチームに伝えることはやめずに続けていました。とはいえ、チームや身近な組織に同じような感覚を持った仲間を作ることができず、伝わらない、届かないことが重なっていくうちにだんだんと心が折れてモチベーションが上がらなくなっていっていました。2年目くらいに「なんでも仕組みで変えようとするな」とフィードバックを受けたのはショッキングでした。

個人的にスクラムで開発する経験をするには今のチームに良さを伝えて変えていくしかないと思っていたのですが(今となっては思い込みかも)、これもまたコミュニティ活動の中でいろんな話を聞く中で、今いる組織だけが組織じゃないよなと気づくことができました。"今いる組織を(良さを伝えて他のメンバーの意識も含めて)変えてやろう"から、"今いる組織を(自分が異動 or 転職することで)変えてやろう"と思うようになりました。扱うプロダクトや技術分野についての関心だけではなく、スクラムで開発しているところ、やろうとしているところ、極端に言えば1人でもいいのでスクラムに関心がある人がいるところで働けないかなと。

そんな場所がないかと社内の人に相談したりして、そこから社内転職のような会社の制度を使ってこの4月異動することができました(相談させてもらった人もRSGT経由で知り合っているな...)。

異動先では、すぐにスクラムや実際に今どんな風に進めているか新しく入った人向けに説明があったりして、全員が目的を理解した上で進める感じ、部署として取り組んでいる感じがすごくあります。近いところにスクラムを知っている人が急にたくさん増えたのですごい変な感覚です笑。業務に関する知識のキャッチアップはもっともっとしていかなければいけないのですが、なんかすごく楽しみです。

異動前のチームでの進め方にイメージのギャップがあっただけで、その中の人たちはみんないい人でいろいろ教えてもらいながら働けたなぁと感謝しています。最後のフィードバックの時に、1つのものを複数人で取り組むことだったり、完了させることに集中することが当たり前になったのはいろいろ言ってくれたおかげです的なことをもらったのでちょっと報われた感じがありました。打率が低いことを繰り返していた僕自身も、思ったことを常にストックしておくこと、刺さりやすいタイミングを見極めてそれを逃さずに言うってことの大事さを学べたので、異動先の今の部署でも活かしていきたいなと思っています。

コミュニティ活動で人間関係をじわじわ広げられること大事だなと改めて感じました。

ということでスクラムで開発するという手段を目的に異動した話でした。なんかやっとスクラム実践者に片足突っ込めた気がします。